法律事務所の処分から見える弁護士の質の低下


弁護士法人である有名法律事務所が広告が景品表示法違反(有利誤認)にあたるとして東京弁護士会が業務停止とした問題で、処分理由の詳細が同会懲戒委員会の議決書で分かった。懲戒委は、事実と異なる広告の掲載は「長期間にわたり反復継続された組織的な非行」で「手段の悪質性が際立つ」と判断した。

弁護士法人に対する大量懲戒処分。正義の味方といわれる弁護士が、業務停止されるという重い処分を受けました。この背景には、一体何があるのでしょうか。

まず一つ目は、弁護士が急激に増えたことが背景だと分析されます。ついこの間までは年越しになるためには旧司法試験を受ける必要がありました。それが新司法試験に移行され、新司法試験を受けるには法科大学院に入学し、卒業する必要があります。そして司法試験の受験資格が得られるというわけです。

つまり法科大学院に入らなければ弁護士になれなくなった、ということ。大学院に入学できるほどのまとまったお金を持っていなければ弁護士になれないわけです。大学院に入らなくてもいい予備試験というルートもありますが、このルートで弁護士になる数はまだ少なく、しかも合格者数の大半が大学生か大学院生です。

この新司法試験の合格者は一時期に3000人程度まで増えました。旧司法試験の時の合格者が1000人程度。前の時代にはもっと少なく、700人とが500人という時代もありました。今の時代の弁護士は増えすぎてしまったわけです。弁護士が増えてしまうと、自分で仕事を作らなければお金を稼げません。

そして二つ目に、渡りに船だった過払い金請求訴訟です。今がチャンスとばかりに過払い金に苦しんでいる人を一気に集めてお金を儲けようとしたわけです。お金を一気に稼ごうと焦りすぎてしまったわけです。

しかも過払金請求には時効があります。過払い金が発生してから10年間が経過してしまうと、時効によって過払い金請求権が消滅してしまいます。消費者金融側も消滅時効を援用しないわけがないでしょう。早くお金を稼ぎたいし、消滅時効もあることから焦り、無茶な広告をしたというわけです。

法科大学院で学び新司法試験に合格した人は、旧司法試験の時よりも勉強時間が短いです。それもそのはずで、法科大学院を卒業してから5年以内に試験に受からなければいけないからです。しかも競争率も旧司法試験よりも甘く、比較的合格しやすい試験となりました。

だからこそ、長期間勉強しないでそこそこ頭のいい人が要領よく合格してしまうわけです。このようなタイプの人たちは、旧司法試験の合格者よりも苦労しないで、合格してしまうわけです。苦労もしないで合格するということは、安直な方法でお金を稼ごうという弁護士を作り出してしまうわけです。目先の利益にとらわれる弁護士が増えてしまったのにはこのような背景があります。

このような弁護士の大量懲戒処分の背景には、弁護士を作り出す制度に問題があったと推測されます。弁護士を一般人にとってそれほど身近な存在ではありません。でも、知らないうちに弁護士の質が大きく低下してしまった現れといえるでしょう。


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