「教育無償化」は誰のため?


私は元々教育分野に興味があり、特に新人研修や育成にはずっと力を入れてきました。今は教育無償化というキーワードが子育て世代の中では大きな話題となっています。

教育無償化だけに留まらず、次々と新しい政策を掲げ動きだそうとしている。政策が動けば何が動くか?それは「お金」。それが「教育無償化」だ。

これまで、やれ充実させるや、高齢者に手厚い政治をと声を大にしてうたってきた。それが今回から一転、「人づくり革命」という名のもとに幼児教育無償化財源を経済界から3000億円の負担を要請しているという。

平たく言えば、認可保育園、認可保育所、幼稚園において世帯年収360万円をラインに所得に合わせて国から負担するということだ。これが「教育無償化」の布石である。

それでは、幼児教育においてこの政策実現したとしよう。そうなって恩恵を受けるのは中間層となる。しかしこの政策、ただ幼児教育に着手するのみではないだろうか。

現在の日本の一組あたりにおける子供の出生率は1.4人となっている。そしてこの数値がフランスのようにV字回復したことはない。それはなぜか。一つの答えを出すのはいささか乱暴になってしまうが、夫婦が子供を複数持つことで起こりうるその先の経済的な試練を若い世代が感じているからだ。子供を育てるにはお金がかかる。それは幼児教育の手当てがあったからと言ってすぐに解決されるものではない。1人当たりの子供を大学まで進学させる場合、2000万から4000万はかかるのが現実だ。実際に金額で提示しても金額が大きすぎてその額がどれほどの負担になってやってくるかわからないだろう。しかし、子供の教育に熱心になればなるほどその額の天井は見えなくなる。

もちろん幼児教育はとても重要な分野であることは間違いない。そして経済的な理由でそれができないというのもどう考えても不公平すぎる。ただ保育園に子供を預けている多くの母親はその時間にフルタイムで仕事をしている。だから保育園が終わる時間になっても仕事を切り上げて帰ることができない。そうなると次の手段は「ダブル保育」ということになってしまう。聞きなれない言葉かもしれないが、特に認可されている保育園は、帰る時間も早い設定のところが多い。それでも迎えに行くことができなければ、だれかに次の「保育」を頼むという選択に至る。少なくともダブル保育である程度の年齢まで乗り切る家庭はそれほど珍しいことではない。

そうなるといくら幼児教育が無償になったとしても別のところにお願いすることになるわけだから、そこでお金がかかるのだ。そしてこれは幼児教育の現場で起きているだけのことではない。小学校に入学しても低学年のうちは母親がフルタイムで働いている場合、学童保育に入る。そして学校の学童保育は17時に一斉に帰るところがほとんどなので、そこでまた「ダブル保育」という手段を使わざるを得なくなる。17時に帰宅時間がやってくると別のところで契約をして迎えにきてもらうことになるのだ。

このように子供にかかわる問題は、幼児教育だけを取ってそこだけを補てんしてもとうてい解決できる問題ではない。さらに言えば、小学生になれば学校が無償であっても習い事や塾、スポーツをする子供がほとんどになり今度はそのことで家計が圧迫し始める。多くの経済研究所においての試算がたびたびネットや新聞に数字としてでるのだから子供を複数持とうと勇気をもっていける夫婦はどんどん少なくなるのは当然なのだ。

それにしても幼児教育の無償化においてのみの試算で0才~2才分が約4400億円、3才から5才までで7300億円とこれだけで1兆円を超える莫大な予算だ。この予算によって家庭に余裕が生まれるのかはかなりあやしいものだ。だがまず先に整備することは、仕事を持って育児をしている母親の時間的な問題を解決していく必要性があると感じています。


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